インクジェット印刷の仕事をしていると、お客様からカラーサンプルを支給され、それに色を合わせないといけない場面がままあります。
支給される物は、実際の品物であったり、DIC等が出しているカラーチップ等があります。
いずれにしても、インクジェット機に送るCMYKのカラー成分を決定して、インクジェット機で印刷される色と、元の支給物の色が合う様にしないといけません。
基本的な流れとしては、市販されているカラーチャートと支給物を見比べて、最も近い色を探し出し、そのカラーチャートに書かれているその色のCMYKの色成分で、とりあえずは試し印刷をしてみます。
ただし、その時点で、色が合う(合っていると感じる)ことはまずありません。
次に、経験と勘で、どの色成分を上下させれば良いか考えます。
例えば、Y(イエロー)の成分をもう少し下げた方がいい、とか、同時に黒は少し上げた方がいい、といった具合です。
その見通しを元に、イラストレーターというソフトで、格子状のカラーチャートを作成します。
それを再びインクジェット機で印刷し、その中から一番合ってそうな色を探し出し、そしてまたカラーチャートを作成し・・・といった具合です。
最初の勘が外れると、また一からやり直しとなります。
カラーチャートは、格子状の二次元的にしか作成できないので、3つの色を変化させたい時には、その格子状のチャートをさらにいくつも並べる必要があります。
格子状ではなく、グラデーションのチャートを作る場合もあります。
グラデーションチャートの場合は、チャート全体の長さと、合っていると思われる色の位置からCMYKのパーセントを計算することになります。
また、色そのものもそうなのですが、UVインクジェット機で印刷すると、どうしても見た目がマット調になり、ツヤがありません。
支給物も同じようなマット調であれば良いのですが、支給される物は様々で、その点でも見た目の色を合わせるのに苦労します。
それから、色を見る場所も重要です。
蛍光灯で見る場合、LEDランプの下で見る場合、屋外の自然光で見る場合と、光の環境の違いによって、合っていると思われる色が異なっていたり、全く合っていなかったりします。
基本的には、日中に自然光の入る明るい室内で観察します。