みなさんもケーキ屋さんや専門店で売られているチョコレートに印刷が施されているものを見たことがあると思います。
これらはシルクスクリーン印刷という手法で印刷されているものです。
ただし、インクを直接チョコレートに印刷しているわけではありません。
(もちろんインクと言っても普通のインクではなく、食べても安全な様々な色素で着色された液体状のチョコレートを使うのですが)
その方法はというと、ひとまずポリカーボネートやペットの樹脂シートに色付きのチョコレートで印刷し、それを実際のチョコレートに転写して作成しています。
その転写の仕方にも色々あって、印刷された樹脂シートを赤外線で熱してから金属型に押し当て、チョコレートの形の凹みを作り、そこに本体のチョコレートを流し込む方法や、印刷された平らなままの樹脂シートを、予めチョコレートの形に成形された型に挟み込み、そこにチョコレートを流し込んで作る方法があります。
いずれの場合も、生産性が上がるように、A4~A3サイズ程度の樹脂シートに、同じ柄のチョコレートがいくつも並んだ状態で印刷し、加工、成形、流し込みという工程で作られていきます。
弊社では、その樹脂シートに印刷するためのシルクスリーン版に、パターンを焼き付ける元となる製版用フィルムを作っています。
ゴ※ィバやモロ※フと言った有名ブランドから出てきたデザインデータを元に、シルクスクリーン版→樹脂シートに印刷→樹脂シートの成型→チョコの流し込み、といった工程にきちんと対応できるようなパターンデータをパソコン上で作成し、製版イメージデータを作ります。
それをイメージセッターという超高解像度(2400dpi)のフィルム出力機で0.1mm厚のPETフィルムに描画します。
(多色印刷であれば、色ごとのイメージをそれぞれのフィルムに描画します。)
このフィルムをシルクスクリーン版に焼き付けて、次に印刷と相成るのです。
この仕事をする以前は、チョコレートの印刷がどのように為されているのかさっぱり見当がつきませんでしたが、今ではだいたいの工程は想像がつきます。
(残念ながらチョコレートインクでの印刷の現場やチョコレート流し込みの現場を見たことはありません。)