いつもこのブログに書いているUVインクジェット関連の話ではないのですが、おもしろい仕事があったので書いてみます。
弊社にはフィルムイメージセッターという機械があって、解像度は2400dpiまたは3600dpi、寸法精度はだいたい500mmに対して±0.2ミリ以内で、透明のフィルムに黒の画像を焼き付けることのできる機械があります。
最大の描画範囲は、820×544mmです。
普段は、製版用のフィルムを出力しているのですが、先日、この機械を使って、数百個のパンチング穴の開いた立体の金属製品の、パンチング穴の正確な位置をデータにするという仕事がありました。
平面であれば、スキャンして、スキャン画像の寸法を修正し、それに合わせてイラストレーターで穴を書いていけば終わりなのですが、いかんせん、この仕事の対象物は、パンチング穴のあいた板が、立体的に湾曲したものです。
スキャンしても歪んでしまって正確な位置をデータ上に再現することができません。
で、どうするかというと、立体になる前の平面でのCADデータを元に、パンチング穴をフィルムイメージセッターでフィルムに出力し、それを対象物に両面テープで貼り付け、拡大鏡で覗きながら穴一つ一つのずれを読み、その数値を元にデータ上で修正していくという作業を行なうのです。
平面でない物に拡大鏡を当て、ゲージを当てながらずれの寸法を読むのですが、なかなか正確には修正量をつかむことができません。
なので、修正しては再度フィルム出力し、また修正という作業を繰り返します。
なんせ穴が数百個あるので、なかなか骨の折れる作業です。
もちろん全ての穴を完璧な位置に修正できるものでもありません。
しかし、全ての穴がお客さんの使用目的に沿う正確さになるまで作業は続きます。(しかも2種類のおまけつき)