曲面の形状に加工されたアルミの板にたくさんのパンチング穴が開いた品物があって、その穴位置をできる限り正確に反映した型データを作成するという仕事がありました。
曲面といっても、だいたい一方向のみの湾曲だったのでなんとかなったのですが、とても手間のかかる仕事でした。
穴の大きさは約3mmφで、穴の数はざっと300個以上。
これが約100mm×60mmぐらいの楕円のような範囲でハチの巣状にならんでいます。
イラストレーターのデータが支給データとしてもらえるのですが、おそらく三次元のCADデータから二次元のデータに書き出しただけのものだと思われます。
部分的には位置が合っている場所もあるのですが、一番端っこの穴位置を合わせると、材料の歪みに伴ってどんどんずれていき、一番ずれたところではその差は1.5mmほどありました。
弊社には、フィルムイメージセッターがあるので、とりあえずそのデータをフィルム出力し、基準となる穴を決めて実際の材料に両面テープではりつけます。
そしてルーペで覗きながらフィルムに描かれた穴と物とのずれを計測し、一つ一つの穴に対してデータ上で位置修正をかけていきます。
ルーペで測るといっても物が曲面になっていて、穴の無い外周部に突起があったりするので、ゲージのついたルーペを使うことができません。
しかたがないので、これもフィルムセッターで出力した自作のフィルムゲージをルーペと物の間に挟んでおおよその寸法ととっていくしかありません。
一つ一つ計測してはデータ上で修正という作業を繰り返し、全体の修正が済んだら、そのデータをフィルムセッターで出力して、再度物に貼りつけ、ルーペで測って再度位置修正という手順を繰り返します。
4回目のフィルム出力でようやく全ての穴位置を合わせることができました。
最後に納品用のフィルムを出力し、最終データをメールで送って完了です。